北海道映像アーカイブスは「50年後に役立つ映像資料制作」をテーマとした映像アーカイブです。2011年の東日本大震災を報道の現場で体験し、今あるものが決して永久的なものではないという事に気付かされたのがきっかけで始めました。北海道の素晴らしい風景が明日には何らかの形で失われてしまうかもしれない、そうなる前に映像に残しておこうという事です。
そうして道内を撮影して回っているうちに、これまで見たこともなかった北海道の姿が見えてきました。然別湖で白蛇が舞う鹿追町の白蛇姫まつり、スノーシューをはいて山道を歩いた先にある大滝村の百畳敷洞窟のニョロニョロ、山笠の本場、博多祇園山笠振興会から唯一「北の山笠」と認められている芦別市の健夏山笠などなど。もしかしたらTVやガイドブックなどで見たことがあるかもしれないけど記憶に残らなかった、だけど実際に見てみると素晴らしいイベントや絶景が地方にいくつもありました。また、仕事で様々な職業の方々を取材する機会がありますが、お話を伺うととても熱い思いを持っている方が多いです。毎日当たり前のように食べているお米は生産者の方がどんな思いで作っているのか、夏の風物詩・花場大会を行うためにどれだけ多くの人がかかわっているのかなど、気に留めなければさらっと流してしまうような人々の思いにも触れることができました。
北海道映像アーカイブスでは北海道の絶景だけではなくそれにかかわる人々の思いも映像化して紹介することで、大都市だけでなく地方まで北海道をすみずみ回って楽しんでもらいたい。そんな思いで制作活動をしています。